【特別企画】

【ポケポケ】「異次元クライシス」マスボ到達デッキ紹介! 比較的簡単に扱えて、マスターボール到達できた「ソルガレオex&超マシェード」デッキ

【拡張パック「異次元クライシス」】
5月29日 実装

 5月29日に新たな拡張パック「異次元クライシス」がリリースされた「Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)」。本パックでは「ウルトラビースト」と呼ばれる異世界からきたポケモンたちが実装された。ウルトラビーストにしか効果がないグッズやサポートも多く登場し、環境はウルトラビーストやそれに対抗するべく「シルヴァディ」を使ったデッキが環境の中心になると予想された。

 そんな「異次元クライシス」がリリースされた翌日からランクマッチ「シーズンA3a」は開幕。現段階でのランクマッチ、ハイパーボール帯での環境は、当初の予想通りウルトラビーストの中でも最強格の「マッシブーンex」を中心とした草デッキが環境の1つとして君臨した。

 ところがこの「マッシブーンex」デッキが流行ってくると、メタとして「シャイニングハイリザードンex」が多く環境に残る事となった。加えて、「シルヴァディ」とラムパルドを絡めた「シルヴァディラムパルド」も環境にはかなり多く登場。「シルヴァディ」が無色ということもあり、様々な組み合わせが各所で確認される事となった。

 こうした環境の変化の中で新たに注目を集めたのが超エネの「マシェード」(以下、超マシェード)だ。この「超マシェード」が注目を集めた理由は特性「はっこう」。この特性はベンチ、バトル場問わず利用が可能で、その効果は「自分の山札からポケモンをランダムに1枚、手札に加える」というものだ。

 そしてこの特性を最も有効に活用できると筆者が判断したのが、今回紹介する「ソルガレオex&超マシェード」デッキだ。

 本稿では、ハイパーボール3~4にて160戦を行ないマスボに到達できた「ソルガレオex&超マシェード」デッキのサンプルレシピと使い方を紹介していく。

今回もどうにかマスターボールランクに昇格できた

「ソルガレオex&超マシェード」のサンプルデッキレシピ

 初めに、筆者が使用した「ソルガレオex&超マシェード」デッキのサンプルデッキレシピを載せておく。エネルギーは鋼エネルギー。「マシェード」自体は「異次元クライシス」で新たに追加になった超エネのポケモンを使用するが、たねポケモンである「ネマシュ」は以前の拡張パック「双天の守護者 ルナアーラ」で登場した方の草タイプを採用している。なお、草タイプの「ネマシュ」はさらに前のテーマ拡張パック「幻のいる島」でも登場しているので間違えないように注意してほしい。

 なお、中間進化の「コスモウム」は1枚のみ採用し、デッキの枠を節約している。

【ソルガレオex&超マシェード】
※エネルギーは鋼のみ

 このデッキの特徴は2進化ポケモンの「ソルガレオex」を最短で進化させるために、1進化の「超マシェード」を加えていることだ。もちろん最初から「コスモッグ」と「ふしぎなアメ」、「ソルガレオex」の3種の神器が手札に揃っていれば、それだけで勝率がかなり高まるが、そこまでうまくはいかないのが「ポケポケ」の常だ。

 しかし、「超マシェード」を場に出せれば、特性で毎ターン1枚ずつポケモンを手札に引き込めるようになる。サポートカードが出たとはいえ、まだまだ進化しづらい2進化ポケモンを揃えやすく、進化の安定感を高められるのだ。

 また、中間進化の「コスモウム」も1枚採用しているので、「超マシェード」さえ場に出せれば、2匹目の「ソルガレオex」でも進化しやすくできている。ソルガレオex関連と超マシェード関連以外のポケモンを採用していないため、進化の成功率をさらに高めている点もポイントだ。

【ソルガレオex】
このデッキのエースとなるカード

 このデッキの強みは、「ソルガレオex」を2匹立てることで、その2匹で交互に攻撃できるようにしていること。「ソルガレオex」は最速進化からの2エネ120ダメージが魅力ながらも火力が低いとされていたカードで、進化できても押し切られることがあった。しかし、2匹が交互に攻撃できればお互いの体力を最大限使えるため、ポイントが取られづらく、結果として火力の低さを補えるのだ。

 そして「超マシェード」のおかげでその構成をかなり構築しやすい。2進化ポケモンの回復サポート「リーリエ」も2枚採用しており「ソルガレオex」が大ダメージを受けても、ベンチに逃がしている間にHPを回復できるのもありがたい。

 さらには「ソルガレオex」の特性「ライジングロード」で、ベンチの「ソルガレオex」がエネ消費なしでバトル場に出られるので、バトルポケモンの交代も楽々。エネルギー消費なしで2匹の「ソルガレオex」を交代交代できるだけでなく、役目を果たした「超マシェード」が表に出ているときに素早くノーコストで動き出せるのが強力だ。

【リーリエ】
2進化ポケモンのサポートカード。HP60回復と、条件付きながら効果量が大きい
【ふしぎなアメ】
同じく2進化ポケモンのサポートカード。1進化ポケモンへの進化をスキップできる

 今回のデッキのコンセプトは「よりシンプルに」と「安定性の向上」だ。現在の環境デッキである「マッシブーンex」デッキは、たねポケモンが主体なので安定性が高そうに思えるが、「マッシブーンex」と「テッカグヤ」、さらに「カミツルギ」または「フェローチェ」の3~4体のたねポケモンが採用されているので、ドローの良し悪しが露骨に出てしまう。

 試しに「マッシブーンex」デッキを使用してみた事もあるが、10連勝したかと思ったら次に9連敗といった形で安定性に欠ける印象を受けた。もちろん、「ソルガレオex&超マシェード」デッキも事故ることがあるが、「超マシェード」の効果もあり、安定性が高くなっているデッキなのだ。

 加えてシンプルで使いやすいデッキである点もポイントだ。「ソルガレオex」の進化に必要なたねポケモンの「コスモッグ」、中間進化で必要な「コスモウム」またはそこをスキップできる「ふしぎなアメ」、「ソルガレオex」の3点が揃えば勝率アップ、来なければ終わり、というわかりやすさがあるので、少なくとも筆者にとってはこうしたドロー要因で負けた時の納得感が他デッキより強かった。

 前回のデッキ紹介記事で「2進化ポケモンに頼らない」と言っておきながら、今回は手のひらをクルクルしてしまうのもなんだが、2進化ポケモンを採用していながら安定性はかなり高いと言えるだろう。

 なお、デッキのアレンジとしてサポートカードやグッズは、好みで入れ替えて使うのがオススメだ。「マーズ」、「グズマ」、「アカギ」辺りは対戦相手との兼ね合いや使用頻度に応じて「ゴツゴツメット」に入れ替えたり、「大きなマント」にしたり、「ナツメ」や「サカキ」、「レッド」などを入れて調整するのがいいだろう。また、思い切って中間進化の「コスモウム」を外してしまうという枠の確保手段もある。安定性は下がるが、うまく機能した時の強さがかなり跳ね上がる。

「ソルガレオex&超マシェード」デッキの戦い方

 デッキの使い方は至ってシンプル。初手に2種類のたねポケモンのうち、「ネマシュ」と「コスモッグ」の両方を引いたなら「ネマシュ」をバトル場に「コスモッグ」をベンチに置く。エネルギーは一部例外を除いては全て「コスモッグ」に貼ろう。一応ルナアーラパックの「ネマシュ」は無色エネルギーでワザ「ふむ」が使えるが、微々たるダメージなので原則として「ネマシュ」で削ることはまずしない。「コスモッグ」がある以上、そちらを優先する動きが圧倒的に強いからだ。

 後は「ふしぎなアメ」や通常進化で「ソルガレオex」を目指す。その際に「超マシェード」への進化が可能な場合は迷わず進化し、進化後すぐに特性「はっこう」を使ってさらにポケモンを揃えていきたい。特性「はっこう」は、使用してもターンが終わるわけではないので、有効なたねポケモンが引けたらすぐにベンチに出したり、進化ポケモンが引けたらその場で進化しよう。

 「はっこう」が優秀なのは、余計なサポートやグッズを引くことなく、デッキのポケモンを引けるところだ。同じような効果には「ニャオハ」のワザ「ともだちをよぶ」などがあるが、こちらは草ポケモン限定でかつバトル場で行動する必要があるのに対して「はっこう」はベンチでも使えるほか、特性のため、ターンを消費せずに済む点も強力だ。

【超マシェード】
特性「はっこう」で山札からポケモンを1枚手札に加える。シンプルながら強力な効果

 こちらが順当に「ソルガレオex」に進化できたら、いよいよ攻撃開始。だが、「ソルガレオex&超マシェード」デッキのもう1つの強みは、1匹進化して終わりではなく、2匹目も比較的スムーズに進化を狙えるところだ。「ソルガレオex」で攻撃しつつも、引き続き「はっこう」でポケモンを揃えていき、2匹目の「ソルガレオex」を完成させたい。理想としては、最初の1匹は「ふしぎなアメ」を使って進化させ、2匹目はコスモッグ→コスモウム→ソルガレオexと順当進化させられればかなりスムーズに戦える。

 「超マシェード」が2匹揃えば、1ターンの間に2枚のポケモンカードを引けることになるので、残り5枚しかデッキに入っていないこのデッキでは、その全てがあっという間に手札にやってくる。「マーズ」や「ナンジャモ」、「レッドカード」などを使用されて手札をシャッフルされてしまっても、あっという間にポケモンを引き寄せてくれる点もありがたい。

【マーズ】
相手の手札を入れ替えさせる妨害カードの1枚。せっかく引いたポケモンたちを山札に戻されてしまうが、「超マシェード」がいれば立て直しやすい

 ここまで読んでいただけるとわかると思うが、実は「超マシェード」の1進化がうまくいかない場合、このデッキはかなり厳しくなる。最低でも1匹の「超マシェード」が立つことが勝率を高める条件の1つでもあるのだ。

 そして「超マシェード」はなるべく撃破されないような立ち回りが望ましい。「超マシェード」自体は戦力としては弱いので、「ソルガレオex」進化後は、後述のような緊急事態以外はマシェードにエネルギーをつけず、「ソルガレオex」2匹の2-2進行を心掛けるようにしたい。

炎タイプの「シルヴァディ&ズガドーン」デッキとの盤面。1匹の「ソルガレオex」だけでは厳しい盤面だが、アメなしでもう1匹の「ソルガレオex」が進化できるのがこのデッキの強み
本来苦手な炎タイプデッキながら、「ソルガレオex」の安定性が高く、意外と勝ち越していた。特に特性「ライジングロード」が強力で、「超マシェード」にエネルギーを貼る事なく、ベンチ入れ替えができるのはめちゃくちゃ助かる
今期環境の「マッシブーンex」デッキもベンチに逃げた「マッシブーンex」を「アカギ」で呼び出してリーサル。相性はいいが、マスターボール帯において「ソルガレオex&超マシェード」デッキはかなり少ないようだ
「ソルガレオex」が2匹順当に揃うと、殴り合いが始まる前から降参される場面も多い

「ソルガレオex&超マシェード」デッキの弱点

 ここまで「ソルガレオex&超マシェード」デッキの使い方を語ってきたが、弱点もいくつか存在する。

 まず、前述の「超マシェード」含め、ポケモンが進化する前に「レッドカード」や「マーズ」、「ナンジャモ」によるハンデスを使用されると厳しくなる。手札の入れ替えが有効に働く可能性もあるが、大抵は折角手元にあった「ふしぎなアメ」や「超マシェード」がなくなってしまい、「ライジングロード」ならぬ「コーサンロード」を歩む事になってしまう事も多い。

 また、メインカードの「ソルガレオex」が炎弱点のため「シャイニングハイリザードンex」や「バクガメス」、「ガオガエンex」、「ズガドーン」などには厳しい戦いを強いられることになる。

 さらに、圧倒的不利で致命的な対面とも言えるのが「電気オドリドリ」だ。今期環境では「電気オドリドリ」を簡単に撃破できる「シルヴァディ」の流行に伴い「電気オドリドリ」は大分数を減らしたのたが、「ゼラオラ」や「カプ・コケコex」、「シャイニングハイピカチュウex」などと組んで、環境の片隅に依然として生き残っており、これらデッキに遭遇した場合はほぼ勝てないと思っていいだろう。

【電気オドリドリ】
特性「しんぴのまもり」によって「ソルガレオex」の攻撃を防がれる

 一応「超マシェード」に2エネ貼ることで、40ダメージのワザ「ひっぱたく」が使えるので、アカギなどのサポートカードを活用すれば「電気オドリドリ」を撃破できるのだが、相手は2エネで50ダメージ出せるうえ、「超マシェード」では「電気オドリドリ」以外のポケモンには役不足になることが多い。これについてはもう諦めるつもりでいるのが賢明とも言える。

いずれにせよドローが悪ければ勝てる対戦も勝てない! この対戦ではとにかく「ソルガレオex」と「超マシェード」が引けず、残り4枚の山札に2枚の「ソルガレオex」2枚が残る形となり、「シルヴァディ」にボコボコにされたのであった
「マッシブーンex」デッキとの対面、ほぼ勝ちが見えたところで「ナツメ」発動は無理!
「電気オドリドリ」はポケモンexの技を一切無効化するため、「ソルガレオex」とは相性が最悪だ。対策は「超マシェード」を使う事だが、この盤面は「グズマ」が来ずに「エレキコード」が発動してベンチにエネルギーが送られてしまったため、この後「シャイニングハイピカチュウex」にやられてしまった

「ソルガレオex&超マシェード」デッキの相性

 筆者は「ソルガレオex&超マシェード」デッキで、ハイパーボール3~4にて160戦を行ない、86勝74敗、勝率54%で無事マスターボールに昇格できた。カードゲーム初心者の筆者はプレイミスも多いため、立ち回りのうまいプレーヤーが使えば、勝率6割以上は出せそうな感触だ。

 160戦の対戦結果を集計してみると、「マッシブーンex」主体デッキとの対戦は29戦19勝10敗で勝ち越し、「ガオガエンex」や「シャイニングハイリザードンex」、「ズガドーン」主体の炎タイプデッキは40戦24勝16敗と、苦手とは書いたが、こちらも勝ち越しの結果となっており、勝因は相手デッキの不安定さを突いた結果と言えるだろう。また環境で多く当たる「シルヴァディ&ラムパルド」や「エルレイドex&ムーランド」などの闘タイプデッキとは28戦16勝12敗となった。そして「電気オドリドリ」を擁した電気タイプデッキや複合エネルギーデッキとはトータルで20戦7勝13敗とかなりの負け越しとなっている。

 「ソルガレオex&超マシェード」デッキはミラーマッチも多く、27戦12勝15敗とやや負け越している状態だ。ここはお互いのドローやサポート、グッズの組み合わせ次第といったところだろうか。

 「ソルガレオex&超マシェード」デッキは「電気オドリドリ」に負け率が高いと弱みもはっきりしているデッキだが、安定性の高さと使いやすさは今環境ではトップレベルと言える。なお、マスターボール帯にいくと、その数はかなり減少するようなので、上記の勝率などはあくまでもハイパーボール帯での話と思ってほしい。

「シルヴァディ&ラムパルド」との対戦より。相手はラムパルドが引けず、そこを安定進化の「ソルガレオex」を「リーリエ」で回復しながら撃破に成功。ここは実はマシェードが引けておらずピンチの場面だったが相手も事故っていて助かった
山札をクラッシュさせる凶悪なワザ「シューゲイザー」を使う「ウルトラネクロズマex」デッキに涙の敗北。ドローの悪さが出た結果となった
「マッシブーンex」デッキとの対面。進化さえ間に合えば、相手の「マッシブーンex」以外のウルトラビーストは1撃で撃破できるので、「ソルガレオex」の火力でも十分に戦える

 実を言うと筆者は当初「ソルガレオex&超マシェード」デッキの存在を知った時、あえて「ソルガレオex」ではなく「シャイニングハイリザードンex」を使ったデッキを構築してランクマッチに挑んでいた。その結果は30戦対戦して15勝15敗。そしてこのデッキを使ったからこそ、改めて「ソルガレオex&超マシェード」の強みが再認識できたとも言える。

 「シャイニングハイリザードンex」にせよ「ソルガレオex」にせよ、実際に戦わせてみると、そのHPの高さとは裏腹に意外とやられてしまう盤面は多い。もちろん「超マシェード」の効果により、2匹目の進化自体はスムーズに行なえるのだが、「ネマシュ」スタートの盤面からやむなくバトル場で「超マシェード」に進化した時の対応が非常に厄介なのだ。

 というのも「ネマシュ」の段階では1エネルギーで逃げられるが「超マシェード」は2エネルギーが必要になるからだ。そのため、「シャイニングハイリザードンex」を使っていた頃は、「超マシェード」が逃げきれずにやられたり、「ナツメ」や「アカギ」などでベンチの「超マシェード」を引きずり出され、時間稼ぎされ、返り討ちに合うといった場面によく遭遇した。

 ところが「ソルガレオex」であれば特性「ライジングロード」を使う事でエネルギーの事は気にせずに簡単にバトル場とベンチの入れ替えが行なえる。この特性があるからこそ、バトル場では非力な「超マシェード」を存分に活かせる事こそがこのデッキの最大の強みなのだ。

 現在のハイパーボール3~4はマスターボールを目指すトレーナーたちが必死に戦う、ある意味魔境のような環境なのは前回と同様だ。今回も特定のデッキだけが1強になることはなく、冒頭で紹介したような多くの環境デッキがぶつかりあう、ゲームとしてバランスが非常に取れた状態になっており、この辺りの理想的に近い調整のバランスの良さについては毎度のことながら感心させられる。

 そのため、今回もカードの引きなどが下振れて連敗が続く場面もあるかもしれないが、諦めずに自身のデッキを信じてトライアンドエラーを繰り返せば、マスターボールに到達できる可能性は常に残されている。来季ランクマッチからは少しずつランクマッチ自体のルールに見直しが加わることが発表されているので、今期は耐えてなるべく勝率の安定したデッキを握って、ランクマッチの激闘を楽しんでほしい。

この時の相手のデッキが正に「シャイニングハイリザードンex&超マシェード」デッキだが、今回はこちらのドローが上振れて先にバトル場の「ヒトカゲ」を撃破できたおかげで勝利にこぎつけられた。どちらのデッキも同じ事が言えるのだが、「超マシェード」やたね状態の「ヒトカゲ」や「コスモッグ」では壁にすらならない点が弱い