インタビュー

完全新作「鬼武者 Way of the Sword」プレゼン&開発者インタビュー

三船敏郎氏起用の理由は? 進化した「一閃」などさまざまなシステムが明らかに!

【鬼武者 Way of the Sword】
2026年 発売予定
価格:未定

 20年の時を経て、待望の完全新作である「鬼武者 Way of the Sword」がカプコンより2026年にPS5、Xbox Series X|S、Steamで発売を予定している。

 まだ不明な点も多い新作「鬼武者」だが、今回、開発陣の実機プレイによるプレゼンテーションが行われた。プレゼンテーションでは清水寺ステージを舞台に、さまざまなアクションや新要素などのゲーム内容が紹介された。

 さらに、開発陣へのインタビューを行うことができので、本作を期待しているファンはぜひチェックしてもらいたい。

【『鬼武者 Way of the Sword』2nd トレーラー:強敵登場】

バトルの自由度が格段にアップ! 進化した剣戟アクション

 本作の主人公は、後に剣聖と称される「宮本武蔵」。本作ではその域に遠く届かない修行中の青年として描かれている。また、宮本武蔵のフェイスモデルは三船敏郎さんの20代後半の顔を元に再現しているとのこと。

 武蔵は天下無双を掲げ、つわものたちと戦う旅に出ていたが、あるとき意図せず「鬼の篭手」を付けることとなり、この篭手を外す方法を模索するのが最初の目標になる。

鬼の篭手をきっかけに武蔵の物語が動き出す

 ここからはアクションを見ていこう。敵を攻撃すると「鬼武者」ではお馴染みの「魂」が放出され、魂吸収というアクションで鬼の篭手の中に吸い込むことができる。

 魂には種類があり、青魂で必殺技、黄魂で体力回復、赤魂で経験値獲得などの効果がある。魂は一定時間経過で消えてしまうので、敵の攻撃のタイミングなどを見極めながら吸収するのが攻略のカギとなる。

魂吸収中は無防備になってしまうため、どこで吸収するかが重要になる

 防御アクションは、防御中は全方位からの攻撃を防ぐことが可能。しかし、防御をし過ぎるとゲージが削れて体勢を崩されて無防備になってしまうので、防御一本で猛攻を切り抜けるのは難しそうだ。

背後からの攻撃も刀でガードできる。まさに剣の達人といったアクション

 パリィの要素もあり、「弾き」と「受け流し」の2種類が存在する。弾きは矢などの敵の遠距離攻撃を弾き返すことができる。受け流しは敵の接近攻撃をいなして、壁やギミックにぶつけて倒すことができる。篝火にぶつけて敵を燃やすといった戦略的な戦い方もできる。

フィールドの環境物すらも武器にできる、これまでにないシステムを採用

 一定回数受け流しが成功すると「気焔状態」となり攻撃が強化される。気焔状態では必殺技発動に必要な青魂が出やすくなるので、必殺技をガンガン回して戦うことができる。

気焔状態を狙えば戦いが大幅に有利になりそうだ

 「鬼武者」シリーズの代名詞ともいえる「一閃」ももちろん健在。敵の攻撃に合わせてタイミングよく攻撃ボタンを押すと発動し、バッサリと斬り捨てる。本作では斬ったベクトルに合わせて敵が切断される気持ち良さもこだわりのポイントだそうだ。

 敵が複数いる状況ではm一閃成功後のタイミングでさらにボタンを入力することで連鎖一閃が発動する。連続で成功させればたくさんの敵を一掃することができる。

シリーズお馴染みの一閃。過去作よりもエフェクトは抑えめだが、アクションは派手になっている

 今作からの新アクションに「掴み攻撃」も実装されている。敵を掴める特定のタイミングでボタンを押すことで、敵に大ダメージを与えることができる。掴みに失敗してしまうと敵からダメージをもらってしまうので、一閃同様に精度が重要になりそうだ。

カウンターのような使い方な印象を受けた掴み攻撃

 これまでになかった「眼覚醒」という要素もあり、これは鬼の力で隠されたものを見ることができる。通常では見えない、進む道を妨げている幻魔が見えるようになるなど、謎解き部分でも活躍するようだ。

普段は見えない幻魔を目覚醒の力で探すといった謎解き要素も楽しめるようだ

 黒魂という新たな魂も登場。殺された人たちの怨嗟や負のエネルギーが具現化したもので、これを吸収することでその場所で起こった過去の出来事を見ることができ、物語の不鮮明だった部分が紐解かれていく。

プレゼンテーションでは、過去に清水寺で起きた凄惨な事件を武蔵が黒魂で体験していた

 プレゼンテーションの後半の佐々木巌流との戦いでは、弾きでボスの力動ゲージを削り切ると繰り出せる「崩し一閃」が紹介された。通常の一閃とは異なり、崩し一閃は攻撃をする部位を選択することができる。

 頭部なら大ダメージ、腹部は青魂が大量に放出されるなど、狙う部位によって得られる恩恵が変わってくる。状況に合わせてどこを攻撃するかという遊びもあるようだ。

大ダメージを与えるだけだった一閃が戦略的な使い方もできるようになった

開発者インタビュー。三船敏郎さん起用で「クオリティの高い主人公」に

 プレゼンテーションの後には、本作のディレクターを務める二瓶賢氏とプロデューサーの門脇章人氏にさまざまなお話を聞くことができたので、その内容をお届けしよう。

ディレクター二瓶賢氏
プロデューサー門脇章人氏

――シリーズとしては約20年ぶりになる新作を今出すに至った経緯をお聞かせください。

門脇氏:かねてから社内で開発の中ではずっと「鬼武者」の新作をやりたいっていうことはずいぶん前からありました。ただ、他に優先させるタイトルがあったり、1作の開発にかかる人数が膨大だったりで、なかなか着手できていませんでした。

 一方で、REエンジンという新しいエンジンができて、成熟度も上がってきました。作れる環境が整っていく中で、ようやく開発のコアになるメンバーが集まれるタイミングがあって。それが、ちょうど2020年の頭だったと思いますが、そこでようやく「やろう」となりました。

――今の若いゲームファンだと過去作をやっていない場合もあるかと思いますが、事前知識はなくても入りやすいのでしょうか?

門脇氏:世界観やキャラクターは、過去作とは全く違う、新しく構築したものです。「1」と「2」と「3」では、実は世界観がちょっとずつ変わってたりもしていて、整合性をとりながら新作をとなると、どうしても狭いくくりになるなと。そこは1回とっぱらって、入り込みやすいように新しい世界観で作ろうとなりました。

 その中でも、やはり過去作のプレーヤーの体験と、新規の方の体験を一緒にしたかったこともありまして、あまり過去作のキャラクターは出ないという感じです。

――登場キャラクターについて、佐々木小次郎は有名な人物ですが、本作ではなぜ名前が「佐々木巌流」なのでしょうか?

二瓶氏:そうですね。グローバルな言いやすさなども含めて、ちょっと癖をつけて「小次郎」ではなく「巌流」としました。巌流島で戦うから巌流とつけたわけじゃないですよ(笑)。

――宮本武蔵と巌流は、清水寺で対峙したときはもう互いに知っていたような感じでしたね。

二瓶氏:はい、初対面ではない状態です。その前に何度も決闘していて、武蔵が勝っているけど巌流はそんなことは思ってなく、俺の方が強いんだっていうような関係性で。武蔵からするとちょっとうざったいやつという(笑)。鬼の篭手を付ける前から、2人は知っていたという関係で描かれています。

門脇氏:特に、史実の著名な偉人の方たちを使わせていただいている場合は、僕たちなりの解釈だったり、エッセンスだったりオリジナル要素を加えています。厳密に史実と違うというところで葛藤はあまりせず、オリジナルの作品として作ろうということでやってます。

――宮本たちの話といえば、やはり佐々木小次郎が出てくるよねというイメージはあります。

二瓶氏:そうですね。そこは皆さん期待するところかなと思ったので悩まずに作りましたが、より面白くするために、カプコンなりの解釈であまり縛られないところを意識しています。

過去作に引けを取らない、個性的なキャラクター性を持つ佐々木巌流

――今回、“血にまみれ泥にまみれ荒々しく戦う若き侍”というところから宮本武蔵から選ばれたそうですが、そのコンセプトはどこから来たんでしょうか?

二瓶氏:僕の方が考えていたのは、侍のカッコ良さって何だろうって考えたときに、渋さというか、必死にもがきながら戦う姿かなと。それを描くキャラクターとして適しているのが、やっぱり宮本武蔵だと思ったんですよ。

 家系の立派な将軍だと、配下がいたりする群像劇みたいになります。そうではなくて、1人の狼みたいな存在が、必死にもがきながら戦う姿を描きたいというところが最初にありました。

――宮本武蔵に三船敏郎さんが起用されていますが、決まるまでの経緯を伺えますか。

二瓶氏:1つは“血にまみれ泥にまみれ荒々しく戦う若き侍”というキーワードを映画の中でやっている人は誰だろうと考えたときに、三船さんの姿が「まさにこの方だ」と。キーワードやゲーム性と合いそうだったのと、グローバルで考えたときも三船さんはレジェンドな立ち位置です。そこでプロデューサーと話して、侍のアイコンとして「三船さんで行きましょう」となりました。

――モデルとして採用が決まったのはいつごろでしょうか?

門脇氏:最初からほぼ決まっていましたが、正式に三船プロダクションとの交渉は結構長くかかりました。2年ぐらいかかって、正式に契約できたのは2022年くらいでした。

――実際に三船さんが宮本武蔵のモデルになったことで、こういうアクションが作れるようになったとか、宮本武蔵のキャラクターがすごい化けたとか、そういったことはありましたか?

門脇氏:これまでの「鬼武者」と違うところは、三船さんの主演じゃないんですね。今回、僕たちが作りたかった宮本武蔵という侍キャラクターのアイコンとして、三船さんの顔を使わせていただいたという形ですので、三船さんだからこういうことができる、とはあまり考えませんでした。

 とはいえ三船さんの味、みたいな部分は使わせていいただきたいなという思いもありましたので、ゲームの中でも頭をボリボリっとかいたり、そういったシーンはご存知の方であれば、「あっ!」と思えるようなポイントがあるかもしれないですね。

――映画で見せたアクションなどもあったり……?

二瓶氏:刀のアクションで三船さんを見せるというのはあまり意識していなくて、どちらかというと芝居の方ですね。表情の作り方であったり、動き方、その辺は自然とそうなりました。根本のコンセプトとして、人間味あふれる侍が描きたかったので、自然とそういうところは三船さんらしくなりました。

門脇氏:宮本武蔵というキャラクターは、世の中にたくさん存在しますよね。カプコンの中でも「戦国BASARA」だったり、過去の「鬼武者」にも出ていますし。

 なので、僕たちが新しく主人公の宮本武蔵という新キャラクターを作る上では、かなりこだわり抜いて作っています。今回の主人公はそういった意味で、三船さんの顔は絶対に使わせていただきたかったんですよ。かなりこだわり抜いた、クオリティの高い主人公になってるという自信はあります。

あくまで本作の宮本武蔵を完成させるために三船さんの顔を使用したとのこと

ダークな初代「鬼武者」を意識。アクションの爽快さはまだまだ作り込む

――コンセプトそのものがダークで、シリーズとしてはやっぱり最初の「鬼武者」近いなっていうの印象受けたのですが、今回の新作は原点回帰のようなコンセプトがあったのでしょうか?

二瓶氏:公にはあまり言っていませんが、意識したのは初代のダークな世界の侍です。カッコ良い元祖みたいなイメージがありましたので、そこの影響は受けています。

――初代「鬼武者」の影響を受けてるということで、ここは過去作を超えようみたいな部分はありますでしょうか?

二瓶氏:「鬼武者」らしさは何かというのを考えながら作っています。昨今、侍のゲームが流行っているところがあるので、差別化を意識しています。鬼の篭手を付けて、魂を吸収しながら駆け引きで戦うというところは「鬼武者」シリーズでずっと続いてきたので、その伝統は受け継ごうと思っていました。

 中でも「一閃」は大事で、その気持ち良さを現世代機で表現するのはどうしたらいいかというのは常に考えています。その1つの手法として、今までできなかった斬ったベクトルに合わせての切断があります。

 アクションごとに切断の方向が違うので、自分が操作して切断されたと感じやすくなります。ここは表現としてこだわっていたところです。

――これまでの「鬼武者」は軽快な動きでバッサリ爽快感あるイメージでしたが、今作では動きがリアルになった分、アクションに重みがあると感じました。リアリティと爽快感について、作っていて葛藤みたいなのはありましたか?

二瓶氏:まさにそういうところは常に開発しながら葛藤しています。実際の人間が動いてるようなリアリティが今作ではできているので、そこでワープしたような斬り方になると、違和感につながってしまいます。

 ただ、気持ち良さ、爽快さの部分で言えば、今でも一閃などもまだまだ完成していません。気持ち良さとテンポ感、先ほどおっしゃられたような重みというところも、もう少し早くしても気持ちいいよねとか、それやりすぎるとリアリティがなくなるよねというのは、今でも考えながら作っています。

アクションのリアリティとテンポ感、今もこの部分は調整され続けている課題のようだ

――武蔵と巌流の2人は他の別のいろいろな作品でも描かれてるものが多くありますが、今作「鬼武者」ならではの武蔵と巌流の描き方のポイントがありましたらお聞かせください。

二瓶氏:本作で描いてる武蔵は、堅苦しくありません。侍として武士道に則って、お辞儀をちゃんとしたり規律を重んじる……といったキャラクターではなくて、逃げますし、人間らしく怖いと思ったら思わず声に出たり、気持ち悪かったら「気持ち悪いな」みたいなことが言葉に出たりするうな人間味あふれるキャラクターです。その中で、まっすぐに天下無双を掲げているところも特徴ですね。

 佐々木巌流に関しては、誰かから教わったものではなくて、独学で剣術を磨いたという設定です。性格的には狂気を感じるように感情も上下します。そういうキャラクターを描くことで、武蔵との対比を意識しながら作っていました。

――声優さんの声がついていると、またそのイメージがより強くなりますね。

二瓶氏:まさにおっしゃる通りです。まずはキャラクターの性格やデザインから決めて、そこから「この狂気を演じるにはこの声優さんがいいな」と決めていきました。

武蔵と巌流の対比、鬼の篭手を持つ者同士の構図を描きたかったという

――初代「鬼武者」の舞台は稲葉山城だけで完結していて、それに対して「鬼武者2」は世界観の広がりを感じる作りでした。今回の新作についてはいかがでしょうか?

二瓶氏:今回お見せした、清水寺を軸にしたリニアステージはほかにも複数あります。このリニアステージを進める事で、話も進んでいくというものがベースとなります。ステージごとに、ロケーションも変わります。さらにリニアステージでの進行だけではなくて、NPCとの会話でサイドミッションや探索要素が発生したりします。京都における、いわゆるオカルトじみたサイドミステリーみたいな感じです。

――サイドミッションというと、クリアしたら報酬がもらえるようなイメージでしょうか?

二瓶氏:そうですね。

――「鬼武者2」における拠点の様なものはあるんですか?

門脇氏:拠点はあります。

――今回はカメラの仕様が変わっていましたが、どのような方向性なのでしょうか?

二瓶氏:はい、固定カメラではなくなりました。ベースは、今主流になっている右スティックで視点を動かしながら、左スティックで移動するという操作です。

――NPCなどが出てくるときは、少し左側にキャラが寄るような感じがしていましたね。

二瓶氏:それで言うと、戦闘と非戦闘のときカメラが変わるようにしています。非戦闘時は臨場感を出したいので、少しカメラが寄って没入感があるようにしています。逆に戦闘が始まると複数戦になるのでカメラを引いて、より戦いやすくします。なので少しカメラが左側に寄るというのは、戦闘してないときという表現ですね。

臨場感と没入感を出すため、カメラアングルにも力が入れられていた

難易度は「死にゲーではない」。レーティングはCERO Zを見込む

――プレイを見て、今作では今までにないアクションもかなり増えてるという感じがしました。アクション面の操作が複雑なのか、誰でもできるくらい簡単なのかを伺えますか。

二瓶氏:操作周りに関しては、アクションゲームが好きだけど苦手なユーザーでも触れるくらい……というところは目指しながら今作っています。その過程でもボタン配置を変えながら、どうやったらよりなじみがよくなるか、みたいなことを考えています。

――ボスも結構強そうだなという感じがしましたが、難易度的な話も伺えますか。

二瓶氏:難易度に関しても同じで、“死にゲーにはしない”というのはチームとしての最初の目標で、アクションが好きだけど死にゲーだったら無理、というユーザーさんにもちゃんと遊んでほしいところがあります。そこは意識しながら作っております。

どんなプレーヤーでも楽しめる操作性と難易度になっているようだ

――ボスの体力ゲージの下に赤いゲージがありました。これを削ってコンボみたいなことをしていましたが、その辺りについて詳しくお願いできますか。

二瓶氏:体力の下にあるのは力動ゲージと呼ばれるもので、パリィだけでなく、普通に攻撃しても削れるものです。弾きや有効な攻撃をすると大きく削れますが、削り切ったとしても、体力が一気になくなるのではなく、あくまで大きいダメージを与えられる要素として扱っています。

 意図としては、「鬼武者」の一閃はとても難しく、僕も学生の頃の記憶では、結局1回も出ないままクリアするくらいには難しいものでした。一閃と呼ばれるカテゴリのものは気持ちよく出せるようにしたいという思いから、ゲージを削りきったら一閃が出せます。しかも結構派手で、敵ごとに違う演出があるものです。ここは、こだわって作っています。

 ボスは力動ゲージを削り切ると部位選択をすることができて、部位は敵ごとに種類と数は違います。色によってダメージが多く入るものであったり、魂の多くをするものなどの変化があり、さらにボスによってはその部位を切断することで特定のアクションを封じたり、そういう遊びの幅にもつながっています。

――部位選択しているときに画面が止まりますが、ある程度じっくり考えてもいいのでしょうか?

二瓶氏:ある程度は考えて選べるような設計にはなっています。ずっと放置し続けると勝手に動きますが。QTEのように今すぐ押さなきゃ、というほど刹那な選択肢ではないです。

――掴み攻撃をができるときに敵が青く光りますが、どの敵でも見やすいのでしょうか?

二瓶氏:共通の基本のエフェクトとSEで掴み攻撃ができるのを分かりやすくしています。そのときに回避ボタンをジャストで押すと掴み攻撃が成功します。失敗すると相手にやられます。

――斬ったときの気焔状態はどのように強くなってるのか、正確な条件なをど詳しくお聞かせください。

二瓶氏:気焔状態は、受け流しをすると溜まっていく画面右のゲージにおいて、溜まりきると受け流す時にスロー演出が出る、というものです。青魂がより多く放出するので、必殺技が使いやすくなるというようなサイクルを生むようにしています。

――アクションで、一閃は敵から攻撃を受ける直前に攻撃ボタンを押す感じでしょうか。

二瓶氏:はい。そうです。

――連鎖一閃はどうやって出すのでしょうか。

二瓶氏:入力方法は過去作に近いんですけど、一閃が成功したときに、次の相手に向かうときにタイミング良くまたボタンを押すと繋がっていきます。

――過去作では幻魔の特定の攻撃に対してボタンを押すと一閃が出ましたが、今回もそういうシステムですか?

二瓶氏:まだ開発中なんで完全に固まってはいないんですが、一応どの攻撃でもできるっていうふうに考えてます。

一閃の使える場面は過去作より上がっている様子

――プレゼンテーションの中で畳を使っている場面がありましたが、そういったギミックは言える範囲でどんなものがありますか?

二瓶氏:たとえば、和室などで着物が飾られている場所がそうですね。ここに敵をぶつけると、敵が着物をかぶって目隠し状態になり、敵が敵を斬ります。

――そういうのものに近づくと、インタラクションできるボタンが出て、押すと発動みたいな形でしょうか。

二瓶氏:ものによります。畳などは自分がインタラクションして発動するのですが、着物がかぶさるものは、受け流したときに近くにあれば勝手に発動します。

環境物を使った自由度の高い戦闘も今作ならではのポイント

――巌流との戦いで部位を攻撃した際、頭を斬ったら大ダメージで、腹部だと青魂がたくさん出るみたいな印象を受けましたが、ボスによって変化するのでしょうか。

二瓶氏:アイコンの色によってダメージが入る、魂が出やすい、というのが共通のシステムです。プラス、部位によっては破壊や切断することで、その部位から発生する技を出せなくする遊びがあります。

――敵は幻魔ですが、これまでと違うのは全員名前が和名になっている点です。これはなぜ和名なのでしょうか?

二瓶氏:前はシェイクスピアを参考にしていましたが、今作は新しく世界を設定しています。わかりやすく、あの世界観で和を感じてほしいというところから和名になってます。

――ボスとして登場する高等幻魔の中には個性の強いキャラなどはいるのでしょうか?

二瓶氏:今回は、高等幻魔とか下等幻魔とかの使い分けはしていません。ただ、ユニークな喋る幻魔で面白い動きをするものはいます。

――巌流は印象の強いキャラクターですが、ちょこちょこ出てきて武蔵にちょっかいをかけるのでしょうか?

二瓶氏:そうですね。一回だけ出て終わりにはしたくないキャラクターなので、深い絡みがストーリーの中で起きているように作ってます。

――初代の「鬼武者」ではほぼ左馬助1人で物語が展開していましたが、今回はどうなのでしょうか?

二瓶氏:それでいうと、「1」よりは仲間となるキャラクターがもう少し現れると思います。共闘アクションとかではありませんが。

――トレーラーでは切断表現をオフにして撮影したっていう表示がありました。オプションとして、切断表現の切り替えができるのでしょうか?

門脇氏:部位欠損はオンオフできるようにしてます。また出血表現もオプションで調整できるようにしてます。デフォルト設定はすべてオンになっています。CEROレーティングは、おそらくZになるかと。

――「バイオハザード」シリーズのようにバージョンを分けて発売することはありますか?

門脇氏:部位欠損以外にも結構ダークで重たい表現も入っています。その関係で、どうしてもZにならざるを得ないなという感じです。

――レーティングがZになるだろうとのことで、過去作ではコミカルな空気もありましたが、ダークに振り切った理由をお聞かせください。

二瓶氏:そこも初代「鬼武者」に近いかなと。コミカルなモノよりもしっかりとしたドラマを描きたいというものがありました。ただ、堅い時代劇にしたいわけではなくて、武蔵のキャラクター性や巌流の狂気性も人によってはコミカルで面白いのかなと思っています。

――今作では成長要素などはあるのでしょうか?

二瓶氏:今の時点で言える範囲ですと、スキルツリーが存在します。赤魂を集めることで、新しい能力を身につけて、アクションが変化します。攻撃力を上げるような要素もあったりします。

――スキルツリー形式ということは、自分で選んで成長ができると。

二瓶氏:そうですね。

――過去作では、「レベル3にしないとここから先は進めない」みたいな制限がありましたが、今回はいかがですか?

二瓶氏:そういった、ストーリーを足止めする要素などはありません。アクションが苦手なら攻撃力を上げていったり新しい技を覚えたり、逆に何か縛りプレイのようなこともできますし、ユーザーの好みに合わせて遊べます。

――最後に、本作を楽しみにするファンにメッセージをお願いできればと思います。

二瓶氏:「鬼武者」シリーズはまさに20年経っての復活で、情報がようやく出せて嬉しく思っています。これからまだまだフィールドを作って、新しい敵やロケーション、そしてアクションもお見せしていくのでぜひ楽しみにしてもらえたらと思います。

門脇氏:前回情報を出したのは確か2月だったと思いますが、それから4ヶ月ぶりぐらいの新情報です。次は8月のgamescom2025に出展する予定なので、新しい情報が出せるように準備していきたいと思っています。

 2026年の発売を目標に置いていて、ちょうど開発は佳境です。アクションの要素はギリギリまで調整したいなと思っていて、今まさに開発現場は頑張ってくれています。

 その分、僕の方は宣伝の方をもっと頑張れるように8月以降、どんどん情報を出していきたいなと思っています。新情報を楽しみにお待ちください。よろしくお願いします。

――ありがとうございました。